LPガス料金の上乗せ禁止とは【賃貸オーナー必見】実施後の変化・問題背景・リスクを解説

LPガス料金の上乗せ禁止が2025年春から施行予定となっております。LPガス料金の上乗せ禁止が実施されたら、どのような変化やリスクが想定されるのでしょうか。

この記事では、上乗せの背景を交えてLPガス料金の上乗せ禁止とはいったい何なのか、実施後の変化や起こり得るリスクまでを詳しくご紹介していきます。

上乗せ禁止について知りたい賃貸アパート経営者の方、入居物件を探している方はぜひご参考ください。LPガス料金について相談したい賃貸アパート経営者向けの対処法も記載しています。

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目次

LPガス料金の上乗せ禁止とは

LPガス料金の上乗せ禁止とは、無償貸与契約によるエアコンやインターフォンなどの設備費用を入居者のプロパンガス料金に含めて回収する商慣行の改正のことです。

プロパンガス業界では、ガス販売契約に付随してガス会社が賃貸オーナーに設備費用を無償貸与するサービスがあります。しかし、その費用回収は事情をまったく知らない入居者のガス料金に転嫁させるという業界独自の慣行である実態があったのです。

2025年春より新しい料金制度へ移行しますが、既存契約については設備費用の計上自体は禁止せず、内訳表示の詳細化で料金の透明性を確保していく方針です。今後、プロパンガス業界に起こり得る変化やリスクに注目が集まっています。

参考:経済産業省「第7回液化石油ガス流通ワーキンググループ」

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上乗せ禁止を求める背景

上乗せの背景の大元は、ガス会社がアパート経営者からの契約を獲得しようとしたことです。過剰なサービスのツケを入居者に負担させていたため、消費者保護団体から上乗せ禁止を求める声が上がっていました。その具体的な理由をチェックしていきましょう。

ガスと関係のない設備費が上乗せされた

LPガス料金の上乗せ禁止を求める背景は、ガス供給と関係のない設備費が上乗せされていることです。エアコンやモニター付きインターフォン、Wi-Fi機器、宅配ボックスなどはガス供給に一切関係ないものです。

無償貸与サービスの名のもとにガスと関係のない設備費がいくらでも上乗せOKになってしまうのは、誰が見ても不可思議な状況であるでしょう。これでは、賃貸アパート経営者は際限なく経費を出さずしての設備充実が可能になってしまいます。

オーナーの利益分が料金に上乗せされた

無償貸与サービスは、LPガス会社がアパートオーナーに対して行う契約です。本来であれば、オーナーの利益分はガス会社が支払うものであるでしょう。

しかし、オーナーの利益分は入居者が支払うガス料金に含まれていたこともLPガス料金の上乗せ禁止を求める背景です。

都市ガスが整備されていない地域の賃貸物件では、プロパンガスを使用せざるを得ない状況です。国民生活に必須のエネルギーでありながら、不透明な取引で消費者を食い物にしている実態が全国で問題視されています。

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上乗せ禁止による変化

上乗せの背景は、賃貸物件の入居者にとってかなり不条理なものです。2025年春からLPガス料金の上乗せ禁止が実施されたら、どのような変化が想定されるのか現時点のわかる範囲でご紹介していきます。

「設備料金」の根拠提示が義務化

LPガス料金の上乗せ禁止が実施されたら、設備料金の根拠提示が義務化されます。今までは明細なしでも、無償貸与サービスの設備費用を入居者から回収することが実質的に許されていました。

しかし、これからは基本料金と従量料金と貸与設備代金を区分して表示する三部料金制が徹底されていく予定です。入居者に対して上乗せ分の内訳の提示が必要になるため、プロパンガス料金請求の透明性はより高くなるでしょう。

ガスとは無関係な費用計上は禁止

LPガス料金の上乗せ禁止が実施されると、ガスとは無関係な費用計上は禁止となります。

これまでは、ガス供給に無関係ないWi-Fi機器やエアコン、宅配ボックスなどの無償貸与サービスが横行していました。

2025年春からは、ガスとは無関係な費用については計上自体ができなくなります。計上できないとなると、サービス分はガス会社かアパートオーナーの自腹となるので、このような商慣行自体が終焉に近づいていくでしょう。

オーナー自身で設備設置して家賃で徴収

LPガス料金の上乗せは、アパートオーナーに多くのメリットをもたらすものでした。設備費や修繕費などの経費削減ができるどころか、設備設置する労力もカットすることができていたのです。

しかし、LPガス料金の上乗せ禁止が実施されたら、三部料金制が徹底されていく予定です。ガス供給に無関係な設備の設置はオーナー自身が行い、ガス料金ではなく家賃徴収していかなければならなくなります

違反者には罰金・罰則が科される

2025年春からLPガス新規契約の上乗せ禁止が実施されても、バレなければいいと考える業者やアパートオーナーが出てくるかもしれません。いつの時代も、予想できない法の抜け穴が存在してしまうものです。

しかし、匿名でも可能な通報フォームが設置される予定であるとともに、違反者には罰金・罰則が科されるようになります。事業者登録の取り消しといった会社の存亡をゆるがす罰則もあるなど、不法行為を許さない環境づくりが進んでいます。

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上乗せ禁止による賃貸オーナーへの影響

LPガス料金の上乗せ禁止が実施されると、賃貸物件のオーナーにはどのような影響が考えられるでしょうか。これから賃貸経営に着手する予定の方、すでに上乗せによる経費削減の利益を享受しているオーナーはいったいどうなってしまうのでしょうか。 

家賃改訂の検討

LPガス料金の上乗せ禁止による賃貸オーナーへの影響は、家賃改訂が検討されることです。これまでは設備の無償貸与で入居者のプロパンガス料金が高額になる分、家賃や駐車場代を少し安くしていたオーナーもいるはず。

しかし、これからは三部料金制の徹底により、ガス供給と無関係な設備のプロパンガス料金上乗せが不可能となります。家賃徴収にスライドしていく必要性があるため、家賃改定の検討は避けられないものとなるでしょう。

設備費の負担増加

設備費やメンテナンスを含めた修繕費の負担が増えることも、LPガス料金の上乗せ禁止による賃貸オーナーへの影響です。これからは、無償貸与サービスが衰退していくため、設備費や修繕費をガス会社に提供してもらえなくなります。

設備の充実した物件のほうが、入居希望者に魅力的に映ることは確かです。しかし、マイホームではなく賃貸物件なので、なかには設備を丁寧に扱ってくれない入居者もいます。設備費から修繕費まで、オーナー側にたくさんの出費が予想されるでしょう。

入居者募集に影響する

LPガス料金の上乗せ禁止で、入居者募集に影響することも賃貸アパートオーナーは覚悟する必要があります。設備費や修繕費の多くがオーナー持ちとなると、設備投資ができなかったり、家賃を高くせざるを得なかったりするでしょう。

また、契約時には入居者にプロパンガス料金の提示を行う必要もあります。入居者は設備と家賃と光熱費のバランスがよい物件を好むため、もしかすると空室率が上がってしまう恐れがあるでしょう。

解約時は違約金発生リスクがある

LPガス料金の上乗せ禁止の実施が始まると、既存契約でも設備費の明細を出すことが求められます。貸与設備がたくさんあると、入居者からの問い合わせや苦情は避けられないでしょう。

しかし、トラブル回避のためのガス販売途中解約は違約金の発生リスクがあります。また途中解約するなら、切り替え先のガス会社を探す必要性も出てくるでしょう。

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【オーナー】LPガス料金の確認・相談について

経過措置を含め、2025年春からのLPガス料金上乗せ禁止に向けて、料金などの相談をしたい、切り替え先を探したい賃貸アパートオーナーもいるはず。そんなときはLPガスの専門家に話を聞いてもらうのがベストな対処法です。

「プロパンガス料金適正化協会」の専門家へ相談しよう

「プロパンガス料金適正化協会」は適正価格でのプロパンガス普及を使命とする消費者保護団体です。上乗せの背景を熟知したLPガスの専門家によるプロパンガスに関する相談が無料で受けられます。

2025年春の上乗せ禁止実施までに、アパートオーナーは心配事を解決しておきましょう。当協会では、LINEやフリーダイヤルから無料相談を受け付けています。

【入居者】LPガス料金が高いと感じた場合

賃貸物件にすでに入居されている方で、LPガス料金が高いと感じた場合は管理会社やアパートオーナーに確認してみましょう。これからは、入居者へのLPガス料金の明示が義務化されていきます。

まとめ

LPガス料金の上乗せ禁止は、2025年春から始まります。業界的には無償貸与契約をなくしていく方針であるため、三部料金制の徹底などアパートオーナーには経営の転換期ともなるでしょう。

プロパンガス料金にまつわる疑問、切り替え先のガス会社に関する相談はぜひプロパンガス料金適正化協会にご依頼ください。上乗せの背景を熟知したLPガスの専門家のサポートを受けながら、制度改正を心配なく迎えられるようにしていきましょう。

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