築年数の古いアパートや団地を内見した際、浴槽の横にある大きな機器を見て「これは何の設備?」「普通の給湯器と同じように使えるの?」と戸惑う人もいるでしょう。 その機器がバランス釜です。
バランス釜は、浴槽の水を沸かしたり、冷めたお湯を追い焚きしたりできる一方、機種によってはシャワーの水量や操作方法に違いがあります。
また、空焚きや点火操作の繰り返しなど、使い方を誤ると故障や事故につながるおそれもあるため、基本的な仕組みを知っておくことが欠かせません。
この記事では、バランス釜とはどのような設備なのかをはじめ、一般的な給湯器との違い、使い方、メリット・デメリット、賃貸物件で確認したいポイントまでわかりやすく解説します。
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バランス釜とは
バランス釜の基本的な役割、BF釜と呼ばれる理由、お湯を沸かす仕組み、設置されることが多い住宅、外観から見分ける方法を紹介します。
一般的な給湯器との違いを確認する前に、まずはどのような設備なのか整理しましょう。
浴槽横にある風呂釜が「バランス釜」
バランス釜とは、浴槽の横に設置され、ガスの燃焼によって浴槽の水を沸かす設備です。
正式には「バランス形ふろがま」または「バランス型ふろがま」と呼ばれます。
風呂釜は、浴槽に張った水を沸かしたり、冷めたお湯を温め直したりする設備の総称です。
バランス釜は風呂釜の一種であり、基本的に追い焚き機能を備えています。
機種によっては、追い焚きだけでなく、蛇口から浴槽へお湯をためたり、シャワーを使ったりすることも可能です。
現在も給湯やふろ沸かし、追い焚きに対応する製品が販売されており、古い機器から新しいバランス釜へ交換しながら使用されている住宅もあります。
別名「BF釜」と呼ばれる理由
バランス釜が「BF釜」と呼ばれるのは、英語の「Balanced Flue」の頭文字を取った名称だからです。
燃焼に必要な空気を屋外から取り込み、燃焼後の排気も屋外へ出す給排気方式を表しています。
本体は浴室内に設置されていますが、浴室内の空気を燃焼に使う機器ではありません。
外壁に設けられた給排気口を通して外気を取り込み、燃焼後に発生した排気も屋外へ出します。
「バランス」という言葉は、お湯の温度や水量を調整する意味ではありません。
給気と排気を屋外との間で行う構造に由来する名称です。
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バランス釜の特徴
この章では、バランス釜の種類やお湯を沸かす仕組み、設置されることが多い住宅、外観から見分ける方法を紹介します。
バランス釜の種類
バランス釜には、浴槽を沸かす機能に特化した「追い焚き専用タイプ」と「蛇口やシャワーへの給湯に対応するタイプ」があります。
機種によって使える機能が異なるため、物件選びでは種類を確認しておきましょう。
追い焚き専用
追い焚き専用のバランス釜は、浴槽に張った水を沸かしたり、冷めたお湯を温め直したりする機種です。
蛇口からお湯を出す給湯機能は付いておらず、浴槽へ水をためてから風呂釜で加熱します。
シャワーを使用できる住宅では、浴室内に別の給湯設備が設けられている場合があります。
別の設備が付いていなければ、浴槽のお湯を使って体を洗う生活になる可能性もあるでしょう。
募集図面に「追い焚き可」と記載されていても、シャワーが付いているとは限りません。
入居前には、給湯用の蛇口やシャワーの有無を写真や内見で確かめてください。
給湯・シャワー付き
給湯・シャワー付きのバランス釜は、追い焚きに加えて、蛇口からお湯を出したり、シャワーを使ったりできます。
現在販売されているバランス釜にも、給湯とふろ沸かしの両方に対応する製品があります。
ただし、すべての機種が同じ機能を備えているわけではありません。
シャワー付きであっても、台所や洗面所にはお湯を送れない浴室専用タイプがあります。
一般的な給湯器と比べると、シャワーの水量や温度調整に違いを感じる場合もあるでしょう。
物件を選ぶときは、シャワーの有無だけでなく、実際の水量や操作方法まで確認してください。
お湯を沸かす仕組み
バランス釜は、浴槽と風呂釜の間で水やお湯を循環させながら、浴槽全体を温める仕組みです。
自然循環式の機種では、浴槽の水が下側の循環口から風呂釜へ入り、加熱されたお湯が上側の循環口から浴槽へ戻ります。
温められた水は上へ移動し、温度の低い水は下へ流れるため、ポンプを使用しなくても水が循環します。
ただし、追い焚き直後は浴槽の上側が熱く、下側がぬるくなる場合があるため、入浴前によくかき混ぜましょう。
循環口が水面から出た状態では、風呂釜へ水を送れず、空焚きにつながるおそれがあります。
お湯を沸かす前には、循環口より十分高い位置まで水が入っているか確認してください。
設置が多い住宅
バランス釜は、築年数が経過した団地、公営住宅、アパートなどで見られることが多い設備です。
浴槽の横に本体を置き、外壁に設けられた給排気口を利用するため、屋外に一般的な給湯器を設置しにくい建物でも使用されてきました。
ただし、築年数が古い住宅であれば、必ずバランス釜が付いているわけではありません。
改修工事によって壁貫通型給湯器や屋外式給湯器へ変更され、以前より広い浴槽が設置されている住戸もあります。
同じ団地やマンションであっても、部屋ごとに設備の種類や交換状況が異なる場合があります。
物件情報に「バランス釜」「BF釜」「風呂釜」と記載されているときは、現在設置されている機器の種類や機能を管理会社へ確認してください。
バランス釜の見分け方
バランス釜は、浴槽のすぐ横に箱型の機器が置かれていることで見分けられます。
一般的な屋外式給湯器とは異なり、浴室内で本体を直接確認できる点が特徴です。
見分ける際は、次の特徴を確認しましょう。
・浴槽の横に箱型の機器がある
・浴槽に上下2つの循環口がある
・本体につまみや点火操作部がある
・外壁側に給排気口が設けられている
ただし、壁貫通型給湯器も浴室の壁付近に本体の一部が見える場合があります。
外観だけで判断しにくいときは、本体に貼られた銘板の型式を確認するか、管理会社へ設備名を問い合わせてください。
外観写真や簡単な構造図もあわせて確認すると、初めて見る人でもバランス釜かどうか判断しやすくなります。
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「バランス釜」と「給湯器」の違い
バランス釜と一般的なガス給湯器について、設置場所、給湯できる範囲、操作方法の違いを紹介します。
どちらもガスでお湯を作る設備ですが、住宅内での役割や使い勝手は同じではありません。
設置場所が異なる
バランス釜と一般的なガス給湯器では、本体を設置する場所が異なります。
バランス釜は浴槽の横に置かれますが、一般的な給湯器は外壁、ベランダ、パイプスペースなど、浴室の外に設置される方式が中心です。
バランス釜は浴室内に本体を置くため、その分だけ浴槽の横幅が狭くなりやすくなります。
一方、屋外式給湯器では浴室内に本体を置かないため、浴室のスペースを浴槽や洗い場に使いやすくなるでしょう。
ただし、外壁に給湯器を設置できる場所がない住宅や、共用部分の工事が制限されている集合住宅もあります。
このような建物では、バランス釜や既存の壁穴を使う壁貫通型給湯器が選ばれる場合があります。
給湯範囲が異なる
バランス釜は浴室専用の設備として設置されることが多く、台所や洗面所ではお湯を使えない場合があります。
一般的なガス給湯器は、浴室だけでなく、台所や洗面所など複数の場所へお湯を供給する仕組みが一般的です。
築年数が経過した住宅では、浴室にバランス釜、台所に小型湯沸かし器を設置するなど、場所ごとに異なる給湯設備を使っているケースもあります。
バランス釜が付いているという情報だけでは、住宅全体の給湯環境まで判断できません。
物件を内見するときは、浴室のシャワーだけでなく、台所や洗面台からお湯が出るかも確認しましょう。
特に冬場は、洗顔や食器洗いの使い勝手に大きく影響します。
操作方法が異なる
バランス釜は、本体のつまみを押したり回したりして点火する機種が多く、一般的な給湯器より手動操作が増えます。
一般的な給湯器ではリモコンから温度を設定できますが、バランス釜では水量や沸かす時間を見ながら調整する製品があります。
点火後は、確認窓や表示ランプを見て、正常に燃焼しているか確かめなければなりません。
自動湯はりや自動停止に対応していない機種では、沸かし過ぎを防ぐため、使用中に温度を確認する必要があります。
操作方法はメーカーや型式によって異なります。
外観が似ていても、つまみの位置や点火手順が違う場合があるため、本体に対応した取扱説明書を確認してください。
取扱説明書は、メーカーの公式サイトで型式ごとに確認できる場合があります。
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基本的な使い方
バランス釜を使用する前の確認事項、水から浴槽を沸かす方法、追い焚きの手順、シャワーの使い方を紹介します。
実際の操作方法は機種によって異なるため、共通する基本を押さえたうえで取扱説明書も確認しましょう。
使う前に確認する
バランス釜を使用する前には、浴槽の水位、排水栓、ガス栓、給排気口、本体周辺の状態を確認してください。
特に追い焚きを行う場合は、上側の循環口より十分高い位置まで水やお湯を入れる必要があります。
主な確認項目は次のとおりです。
・浴槽の排水栓が閉まっている
・循環口より上まで水が入っている
・本体や配管から水漏れしていない
・ガス臭や焦げたにおいがしない
・給排気口が物でふさがれていない
水位が低い状態で点火すると、空焚きによって機器や浴槽を傷めるおそれがあります。
ガス臭、異音、すすなどの異常がある場合は点火せず、ガス事業者や管理会社へ連絡しましょう。
水からお湯を沸かす
水からお湯を沸かすときは、浴槽の循環口より高い位置まで水をためてから点火します。
水が十分に入る前に燃焼を始めると、風呂釜内で水が循環せず、空焚きになるおそれがあるためです。
水位を確認したらガス栓を開き、取扱説明書に従ってつまみを操作してください。
点火後は、確認窓や表示ランプを見て、正常に燃焼しているか確かめます。
希望する温度になったら消火し、浴槽のお湯をよくかき混ぜましょう。
上側だけ熱くなっている場合があるため、そのまま入浴せず、手で温度を確認してください。
自動停止機能がない製品では、沸かしている間に長時間その場を離れないようにします。
追い焚きをする
冷めたお湯を追い焚きするときは、循環口より十分高い位置までお湯が入っていることを確認してから点火します。
入浴や蒸発によって水位が下がっている場合は、先に水を足してください。
水位を確かめたら、取扱説明書に従ってつまみを追い焚きの位置へ合わせます。
温められたお湯は浴槽へ戻りますが、自然循環式では上下に温度差が生じる場合があります。
入浴前には浴槽全体をよくかき混ぜ、手で温度を確認しましょう。
追い焚き中にその場を離れると、沸かし過ぎや異常への対応が遅れる可能性があります。
使用後は、つまみが消火位置へ戻っているかも確かめてください。
シャワーを使う
シャワー付きのバランス釜では、本体のつまみを給湯またはシャワーの位置へ合わせ、水量を調整して使用します。
リモコンで温度を設定できない機種では、水量によってお湯の温度が変わります。
水量を多くすると十分に温まらず、少なくし過ぎると熱いお湯が出る場合があります。
特に冬は水道水の温度が低いため、夏よりシャワーの勢いが弱く感じられることもあるでしょう。
シャワーを体へかける前には、必ず手で温度を確かめてください。
使用中に急に火が消える、温度が安定しない、水量が以前より少ないといった症状が続く場合は、無理に使わず点検を依頼しましょう。
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バランス釜のメリット
バランス釜の主な利点として、浴槽のお湯を温め直せることと、浴室内の空気を燃焼に使わない構造を紹介します。
設備の古さだけで判断せず、仕組みや使い方も確認しましょう。
追い焚きができる
バランス釜の利点は、浴槽に残った水や冷めたお湯を再び温められることです。
家族の入浴時間が異なる場合でも、お湯をすべて入れ替えずに温度を上げられます。
給湯機能がない機種であっても、水を浴槽へ張ってから風呂釜で沸かすことが可能です。
ただし、追い焚きにかかる時間やガス使用量は、水温、湯量、外気温、機器の能力によって変わります。
何日も放置した残り湯は、温め直しても衛生面の不安が残るため、長期間使い続けるのは避けましょう。
追い焚きとお湯の入れ替えを使い分けたい人は、関連記事「お風呂のガス代を抑える方法」もあわせて確認してみてください。
浴室の空気を使わない
バランス釜は、燃焼に必要な空気を屋外から取り込み、燃焼後の排気も屋外へ出す構造です。
本体は浴室内にありますが、正常な状態であれば、浴室内の空気を使い続けて燃焼する設備ではありません。
ただし、屋外から給排気する仕組みだからといって、事故が起こらないわけではありません。
給排気口がふさがれていたり、機器が経年劣化していたりすると、正常に燃焼できない可能性があります。
給排気口の周辺には荷物や洗濯物を置かず、工事用シートや積雪などで覆われていないか確認してください。
内部の清掃や修理は利用者が行わず、専門事業者へ依頼しましょう。
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バランス釜のデメリット
バランス釜で不便を感じやすい点として、浴槽の狭さ、シャワーの水量、操作の手間、掃除のしにくさを紹介します。
賃貸物件を選ぶ場合は、毎日の入浴で許容できるかを内見時に確認してください。
浴槽が狭くなりやすい
バランス釜付きの浴室は、本体を浴槽の横へ置くため、浴槽の横幅が狭くなりやすい傾向があります。
同じ広さの浴室でも、屋外式給湯器が設置された住宅より入浴スペースが限られる可能性があります。
大人が足を伸ばして入りたい場合や、子どもと一緒に入浴する家庭では、窮屈に感じることもあるでしょう。
浴槽の深さやまたぎの高さも物件によって異なります。
募集写真だけでは広さを判断しにくいため、内見時には浴槽や洗い場の寸法を確認してください。
壁貫通型給湯器へ交換すると、バランス釜があった場所まで浴槽を広げられる場合もあります。
シャワーが弱い場合
バランス釜のシャワーは、機種や建物の条件によって水量が弱く感じられる場合があります。
特に冬は水道水の温度が低いため、お湯を十分に温めるために水量を絞ると、勢いが落ちやすくなります。
ただし、シャワーの水量はバランス釜だけで決まるものではありません。
給水圧、配管、シャワーヘッドの目詰まり、建物の階数なども影響します。
強いシャワーを希望する人は、可能であれば内見時に水量を確認しましょう。
入居後に急に弱くなった場合は、機器や配管の不具合も考えられるため、本体を分解せず管理会社へ相談してください。
操作に手間がかかる
バランス釜は、リモコンで希望温度を設定できる給湯器より、操作に手間がかかる場合があります。
つまみを操作して点火し、沸かす時間や水量を自分で調整しなければならない機種があるためです。
同じ操作をしても、夏と冬では水道水の温度が異なるため、出てくるお湯の温度が変わります。
自動湯はりや自動停止に対応していない場合は、お湯をためている間や追い焚き中に状態を確認しなければなりません。
操作に慣れれば使用できますが、高齢者や子どもがいる家庭では、点火方法や消火位置を家族で共有しておきましょう。
掃除がしにくい
バランス釜は、浴槽と本体の間に狭い隙間ができるため、一般的なユニットバスと比べて掃除しにくい場合があります。
髪の毛、石けんかす、水あかなどが入り込み、手が届きにくくなるためです。
日常的な掃除では、本体へ大量の水をかけず、手の届く床面や側面を清掃します。
循環口のフィルターなど、利用者が外せる部品は、取扱説明書に従って手入れしてください。
浴槽やバランス釜を無理に動かすと、ガス管や給水管を傷めるおそれがあります。
奥まで掃除したい場合は、設備を動かしてよいか管理会社へ確認し、対応できる清掃業者へ依頼しましょう。
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バランス釜使用時の注意点
バランス釜の利用において注意すべき空焚きや点火操作の繰り返し、給排気口や排水口の閉塞、ガス臭や異音がある場合の対処法を紹介します。
古い点火レバー式の機器では、未燃ガスによる異常着火にも注意してください。
空焚きを避ける
バランス釜で追い焚きするときは、循環口より十分高い位置まで水やお湯を入れてください。
水位が低い状態で点火すると、浴槽と風呂釜の間で水が循環せず、機器内部が過熱するおそれがあります。
排水栓が完全に閉まっていない場合は、点火時に水位が足りていても、使用中に水が減って空焚きになる可能性があります。
浴槽へ水をためている途中で点火するのも避けましょう。
空焚きに気付いたら直ちに消火し、高温になった本体へ急に水をかけないでください。
変色、異音、焦げたにおいなどがある場合は再点火せず、管理会社やガス事業者へ点検を依頼しましょう。
点火を繰り返さない
バランス釜が点火しないときは、短時間で何度も点火操作を繰り返してはいけません。
点火しなかったガスが機器内に残ると、次の操作で急激に着火するおそれがあります。
乾電池を使わない古い点火レバー式のバランス型ふろがまでは、未燃ガスがたまり、異常着火につながる可能性があります。
点火しない場合は再操作をやめ、つまみを消火位置へ戻したうえで、ガス販売店などへ連絡してください。
ライターを使って直接点火したり、本体を分解したりしてはいけません。
型式に対応した取扱説明書を確認し、改善しない場合は専門事業者へ相談しましょう。
給排気口をふさがない
バランス釜の給排気口は、燃焼用の空気を取り込み、燃焼後の排気を屋外へ出すため、物でふさがないようにしてください。
荷物、植木鉢、洗濯物、ビニールシートなどが重なると、正常な給排気を妨げます。
外壁側の給排気口がベランダや共用廊下に面している場合は、工事用シート、積雪、鳥の巣などが影響する可能性もあります。
利用者が見える範囲で、周辺に障害物がないか確かめましょう。
高所にある給排気口へ無理に近づいたり、内部へ棒などを差し込んだりしてはいけません。
排気のにおいや音に異常を感じた場合は使用を止め、管理会社やガス事業者へ連絡してください。
排水口を詰まらせない
浴室の排水口が詰まると、床にたまった水がバランス釜の内部へ入り、点火不良、故障、火災につながるおそれがあります。
バランス釜本体の周囲に水がたまっている場合は、そのまま使用しないでください。
排水口の詰まりによって風呂釜が水に浸かると、機器内部へ水が入り、点火しにくくなったり、故障したりする可能性があります。
排水口にたまった髪の毛やごみは、定期的に取り除きましょう。
一度水に浸かった機器は、外側が乾いたように見えても、内部に影響が残っている場合があります。
自己判断で再点火せず、点検を受けてから使用してください。
異常時は使用を止める
ガス臭、焦げたにおい、大きな着火音、すす、途中消火などが見られた場合は、バランス釜の使用を中止してください。
一時的に症状が治まっても、機器の異常が解消したとは限りません。
ガス臭いときは、次の操作を避けましょう。
・火を付ける
・換気扇を回す
・照明や電気スイッチに触れる
・コンセントを抜き差しする
・においの強い場所へ無理に近づく
可能な範囲で窓や戸を開け、ガス栓を閉めてから、屋外などガスのにおいがしない場所へ移動してください。
その後、契約しているガス事業者の緊急連絡先へ連絡します。
ガス漏れが疑われる場面での行動は、関連記事「プロパンガスが臭いときの対処法」で詳しく確認できます。
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【賃貸】バランス釜の確認すべきこと
バランス釜付きの賃貸住宅を内見するときに確認したい内容、故障した場合の連絡先、入居者の判断で交換できない理由を紹介します。
設備の状態だけでなく、契約上の扱いも確認しておきましょう。
内見時に確認する
バランス釜付き物件を内見するときは、浴槽の広さ、シャワーの有無、給湯範囲、操作方法、製造年を確認してください。
設備が付いているかだけでなく、毎日の入浴で不便を感じないかを見る必要があります。
特に確認したい内容は次のとおりです。
・シャワーが付いているか
・シャワーの水量は十分か
・台所や洗面所でもお湯が出るか
・浴槽や洗い場は狭くないか
・バランス釜の製造年はいつか
・今後の交換予定があるか
可能であれば、管理会社の立ち会いのもとで動作も確認しましょう。
内見時に動かせない場合は、入居前に点検が行われているか、メールなど記録に残る形で確認してください。
故障時は管理会社へ
賃貸住宅のバランス釜が故障した場合は、入居者が修理業者を直接手配せず、最初に管理会社や大家へ連絡してください。
建物の設備である場合は、貸主側が指定する業者によって修理や交換を進めるためです。
連絡するときは、メーカー名、型式、症状、発生時期、ガス臭や水漏れの有無を伝えましょう。
点火時の音や表示ランプの状態も説明すると、状況を把握してもらいやすくなります。
ガス臭が強い場合は、管理会社からの返信を待たず、契約中のガス事業者の緊急窓口へ連絡してください。
異常の原因が確認されるまでは、機器を再使用しないようにしましょう。
勝手に交換しない
賃貸住宅では、入居者の判断だけでバランス釜を撤去したり、別の給湯器へ交換したりすることはできません。
ガス配管、給排気口、外壁、浴槽などに関わる工事が必要となり、建物所有者の承諾を受けなければならないためです。
通常の使用による経年劣化で故障した場合は、貸主が費用を負担するケースがあります。
一方、入居者の過失による破損や、設備ではなく残置物として扱われている場合は、費用負担が異なる可能性があります。
賃貸借契約書や設備表を確認し、バランス釜が貸主の設備として記載されているか確かめましょう。
交換を希望する場合は、費用負担や原状回復の条件を書面で合意してから進めてください。
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バランス釜の交換を考える目安
バランス釜の点検や交換を検討したい症状と、交換先として考えられる設備を紹介します。
使用年数だけで判断せず、機器の状態や建物の設置条件を踏まえて専門事業者へ相談しましょう。
故障を疑うサイン
点火しにくい、使用中に火が消える、お湯の温度が安定しない、異音や異臭がするといった症状がある場合は、点検や交換を検討してください。
正常に動くことがあっても、内部の部品が劣化している可能性があります。
ガス給湯機器では、設計上の標準使用期間を10年としている製品が多く、期間を超えて使い続けると経年劣化による不具合や事故につながるおそれがあります。
ただし、10年間の使用を保証するものではないため、機器の表示や使用状況も確認してください。
製造年が分からない場合は、本体の銘板を確認しましょう。
修理部品の供給が終わっている古い機器では、修理ではなく交換を案内されることがあります。
交換できる設備
バランス釜は、新しいバランス形ふろがま、壁貫通型給湯器、屋外式給湯器などへ交換できる可能性があります。
選べる方式は、壁の開口部や配管、外壁の状態、集合住宅の管理条件によって異なります。
同じバランス形ふろがまへの交換は、既存設備を利用しやすい一方、浴槽横の本体スペースは残ります。
壁貫通型給湯器では、既存の壁穴へ本体を収め、バランス釜があった場所まで浴槽を広げられる場合があります。
屋外式給湯器へ変更すると浴室を広く使いやすくなりますが、配管や外壁工事が増える可能性があります。
現地調査を受け、工事範囲や費用を確認してから比較しましょう。
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まとめ
バランス釜とは、浴槽の横に設置され、屋外から燃焼用の空気を取り込みながら、浴槽の水を沸かすガス風呂釜です。
追い焚きに対応しており、機種によっては給湯やシャワーも使用できます。
一般的な給湯器と比べると、浴槽が狭くなりやすい、温度や水量の調整に手間がかかる、掃除しにくいといった点があります。
使用時は水位を確かめ、点火操作を何度も繰り返さず、給排気口や排水口をふさがないようにしてください。
ガス臭、異音、途中消火などがある場合は使用を止め、ガス事業者や管理会社へ連絡しましょう。
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バランス釜に関するよくある質問
バランス釜の危険性、空焚き、入浴剤、対応するガスの種類、賃貸住宅での交換について回答します。
機種や住宅の条件によって対応が異なるため、取扱説明書や管理会社の案内もあわせて確認してください。
Q.バランス釜は危険?
バランス釜は、正常に設置され、取扱説明書に沿って使用していれば、通常の使用で簡単に事故が起こる設備ではありません。
ただし、点火操作を繰り返す、給排気口をふさぐ、低い水位で追い焚きする、排水口の詰まりで本体が水に浸かるといった状況は、事故につながるおそれがあります。
特に、乾電池を使わない古い点火レバー式では、点火しなかったガスが内部にたまり、異常着火する可能性があります。
点火しない場合は再操作を続けず、消火位置へ戻してガス販売店などへ連絡してください。
製造年が古い機器は、目立った異常がなくても経年劣化が進んでいる場合があります。
機器の状態を確認し、必要に応じて専門事業者の点検を受けましょう。
Q.空焚きするとどうなる?
浴槽に十分な水がない状態で追い焚きすると、機器内部で水が循環せず、風呂釜や浴槽が高温になる可能性があります。
部品の変形、故障、焦げたにおい、発煙などにつながるおそれがあるため、点火前の水位確認が欠かせません。
空焚きに気付いた場合は直ちに消火し、高温になった本体へ水をかけないようにしてください。
急激に冷やすと、機器や浴槽を傷める可能性があります。
見た目に異常がなくても、内部の部品に負担がかかっている場合があります。
すぐに再点火せず、賃貸では管理会社、持ち家ではガス事業者やメーカーへ相談しましょう。
Q.入浴剤は使える?
バランス釜で入浴剤を使えるかは、機器と入浴剤の種類によって異なります。
追い焚き機能のある風呂釜では、成分が配管や熱交換部分に残り、故障や変色につながる入浴剤もあるためです。
使用前には、入浴剤のパッケージに「風呂釜対応」「追い焚き可能」などの表示があるか確認してください。
あわせて、バランス釜の取扱説明書に使用できない成分が記載されていないかも確かめましょう。
使用できるか判断できない場合は、入浴剤メーカーと機器メーカーの両方へ確認してください。
使用後に異臭や湯あかの増加などが見られた場合は、使用を中止し、取扱説明書に沿って手入れしましょう。
Q.プロパンガスでも使える?
バランス釜には、プロパンガス(LPガス)用と都市ガス用があり、LPガス用の機器であればプロパンガスの住宅でも使用できます。
ただし、異なるガス種の機器をそのまま使用することはできません。
LPガスと都市ガスでは、ガスの性質や燃焼に必要な設定が異なります。
対応していない機器を接続すると、正常に燃焼せず事故につながるおそれがあります。
本体の銘板には、対応するガスの種類や型式が記載されています。
入居時や機器交換時には、LPガス販売店や施工業者による確認を受けてください。
ガスの種類による性質や料金の違いは、関連記事「プロパンガスと都市ガスの違い」で詳しく確認できます。
Q.賃貸でも交換できる?
賃貸住宅でもバランス釜を交換できる場合はありますが、入居者だけの判断では工事を進められません。
バランス釜は建物の設備であることが多く、ガス配管、給排気口、浴槽などに関わる工事には、大家や管理会社の承諾が必要です。
故障した場合は、まず管理会社へ症状を伝え、修理か交換かを判断してもらいます。
経年劣化による故障であれば貸主側の負担になることがありますが、故障原因や契約内容によって異なります。
使い勝手が悪いという理由だけでは、交換に応じてもらえない可能性もあります。
自費での交換を希望する場合も、工事方法、費用負担、退去時の原状回復について、事前に書面で確認してください。

