プロパンガスと都市ガスは同じガスエネルギーですが、原料・成分・料金・供給方法に大きな違いがあります。
同じ用途で用いられているのに、なぜこのような違いが存在するかと言うと、そもそもプロパンガスと都市ガスは、使用しているガスの主成分が別のものになるのです。
今回の記事では、プロパンガスと都市ガスの違いについて、分かりやすく説明します。
両者の違いを知ることで、自分の生活を支えているガスが、どこから来て利用可能な状態になるのかの理解も、深められるでしょう。
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プロパンガスと都市ガスの違い
冒頭でもお伝えしたようにプロパンガスと都市ガスには、ガスの原料・成分・性質そのものに違いがあります。
まずはその違いについて説明しましょう。
ガスの原料・成分が違う
プロパンガスの原料はプロパン・ブタンを主成分とした液化石油ガス(LPG)を使用しているのに対して、都市ガスはメタンを中心とした液化天然ガス(LNG)が用いられています。
プロパンガスが導入されている賃貸物件では、物件情報にプロパンガスではなく「LPG」と記載されている場合もあるでしょう。
原料に違いがあることから、プロパンガスと都市ガスの輸入元も変わってきます。
都市ガスの原料である液化天然ガスは近年オーストラリアが主な輸入元となり、プロパンガスの原料である液化石油ガスは、UAEやサウジアラビアまたは米国のシェールガスの輸入が多いです。
シェールガスは、地層の奥深くにあるシェール層に封じ込められている天然ガスの一種で、技術の発達が進んだことで採掘が可能になりました。シェールガスの輸入元であるアメリカからの天然ガスの輸入割合は、年々増加し続けています。
空気より重いかどうか
都市ガスは空気より軽く、空気の約半分の重さしかありませんが、プロパンガスは空気よりも重いです。
そのため、ガス漏れ警報器は都市ガスの場合は天井・プロパンガスの場合は床のすぐ上付近に設置されます。
万が一ガス漏れが発生した時には、都市ガスは窓を開けての換気が有効で、プロパンガスはほうきなどを使ってガスを室外に掃き出します。
このように、プロパンガスと都市ガスは性質にも違いがあるのです。
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プロパンガスと都市ガスの供給方法
プロパンガスと都市ガスは、供給方法も変わります。
ここでは、プロパンガスと都市ガスの供給方法について説明しましょう。
プロパンガスは各都へ設置されるボンベ
プロパンガスはガスボンベに入ったガスを自宅の屋外に置き、装置に付けてガス器具へ接続して使用します。
ガスボンベは空になる前に定期的に補充され、常にガスが使える状態が保たれるのです。
自宅にガスボンベを置くことに不安を感じる方もいますが、警報器・マイコンメーター・ヒューズコックなどの安全機器が取り付けられるため、安全性に問題はありません。
都市ガスは地下の配管
都市ガスは、地下にあるガス管を通じて各家庭に配給されます。
電気や水道の供給方法と同様のものだと考えれば良いでしょう。
各拠点となるLNGの基地タンクから、巨大なガスホルダーを通じてガスが流れているため、自宅に特別な装置を設置する必要はありません。
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プロパンガスと都市ガスの利用地域
プロパンガスと都市ガスは利用可能な地域が変わります。
そのため、自分の希望だけではプロパンガスと都市ガスの選択が行えない場合が多いでしょう。
プロパンガスは全国
プロパンガスの利用にはガス導管が必要ないことから、全国どこにでも供給が可能です。
特に居住者が限られている地方の市町村では、都市ガスの利用が不可能な場合が多いです。
プロパンガスは供給先に縛りがないため、都市ガスの設置されている地域でも利用できます。
また、輸送さえ可能であれば、ライフラインが止まってしまった被災地などにも、ガスエネルギーを届けられるでしょう。
都市ガスは都市部
都市ガスを使用するためのガス導管を設置するためには、莫大な初期費用が必要です。
そのため、人口が多く密集している都市部でなければ、都市ガスの利用が難しくなるでしょう。
ガス導管が設置されていない地域では、個人の希望で都市ガスを利用することが困難です。
都市ガスは日本の面積の約6%にしか設置されていないものの、日本の人口の約53%が都市ガスを使用しているというデータを見ても、人口密集地に都市ガスが導入されている事実が明らかでしょう。
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プロパンガスと都市ガスの料金システム
プロパンガスと都市ガスには、料金システムにも大きな違いがあります。
基本的には都市ガスよりもプロパンガスの方が高額な費用がかかり、プロパンガスは都市ガスの1.8〜2.0倍も高くなるのです。
プロパンガスのガス代が高くなってしまう理由には、何があるのでしょうか?ここではプロパンガスと都市ガスの料金システムについて説明しましょう。
プロパンガスの料金システム
プロパンガスの料金システムは自由化されており、市場で自由に価格競争が可能です。そのため、同じプロパンガスでも、契約する会社によって必要な費用に大きな差が生まれます。
ガス代が高額だと感じているのなら、プロパンガス会社を見直すことでガス代を大幅に節約できる可能性があるのです。
都市ガスの料金システム
都市ガスは2017年に全面自由化されましたが、それまでは都市ガスを安定供給するために必要な原価から、その費用を決めた上で国の許可を得ていました。コストは全てガス代として転嫁されるために料金が分かりやすく、透明性の高いシステムが用いられていたのです。
しかし、価格競争が行われないことで、コスト削減の努力がされにくかったと言えるでしょう。
発熱量はプロパンガスの方が高い
プロパンガスと都市ガスは成分や原料が異なるため、発熱量にも違いがあります。
・都市ガス11,000kcal/㎥
・プロパンガス24,000kcal/㎥
この数値を比較しても分かるように、プロパンガスは熱量がとても高く、都市ガスの2倍以上の発熱量です。
つまり、プロパンガスと都市ガスで同じ作業を行う場合には、プロパンガスは都市ガスの半分の量で済ませられるということです。
しかし実際には、都市ガスのガス機器はプロパンガスのガス機器よりもガスが多く出るように設計されているため、実際の使い心地に大きな違いはありません。
都市ガスだからと言って、調理にプロパンガスよりも長い時間が必要になることはないのです。
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プロパンガス料金は定期的に見直しましょう
プロパンガスの料金は自由化されていることから、ガス会社によって必要な費用が大きく変わります。
毎月のガス代が適正価格ではないと感じるのであれば、プロパンガス料金適正化協会にご相談ください。
プロパンガス料金適正化協会では、消費者のプロパンガスに対する意識を高くし、適正相場でプロパンガスを使用するためのサポートを行なっています。
ガス会社は自分で自由に選択可能であることを意識して、プロパンガス料金の見直しを定期的に行いましょう。
まとめ
プロパンガスと都市ガスには、原料・成分・料金・供給方法に大きな違いがあります。
特に費用面の違いは、家計に直接影響を与える重要な部分だと言えるでしょう。
適正価格でプロパンガスを使用するためには、ガス会社の見直しの検討が必要です。毎月のガス代が適正価格であるのかを、まず調べてみてください。