都市ガスは安い?プロパンガスは熱量は2倍?注意点も紹介

「プロパンガスって高くて、都市ガスの方が安いのでは?」と思う方も多いですが、実際には熱量の違いが大きく影響していて場合によっては、都市ガスよりも安く使えている方もいます。

単純に料金だけでなく、熱量を考慮した、正しい比較が必要です。

プロパンガスと都市ガスは、どちらも異なる熱量を持っており、比較の仕方にも違いがあります。

この記事では、プロパンガスと都市ガスの熱量や料金の仕組みをわかりやすく解説し、どのように正しく比較すればいいかを詳しく説明しています。

どちらが自分の家庭に合っているかを理解するために、是非参考にしてください。

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目次

熱量の違い

ガスの種類によって、供給されるエネルギーの量(熱量)に違いがあります。

プロパンガスと都市ガスのそれぞれの熱量の特徴を理解することで、使用する燃料の効率や適した用途が見えてきます。

プロパンガスと都市ガスの熱量について詳しく解説します。

プロパンガスの熱量

熱量は約24,000キロカロリー(kcal)/m³主成分: プロパン (C₃H₈) とブタン (C₄H₁₀) を主成分とする液化石油ガス (LPG) で、非常に高い熱量を持っています。そのため、少ない量で強い火力が得られるため、加熱効率が良いのが特徴です。

都市ガスの熱量

熱量は約11,000キロカロリー(kcal)/m³主成分: 都市ガスの主成分はメタン (CH₄) を主体とする天然ガスです。

一般的に都市ガスはプロパンガスに比べて熱量が低いです。

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プロパンガスは都市ガスの約2倍の熱量

プロパンガスは都市ガスの約2倍の熱量を持っているため、同じ量のガスを使う場合、プロパンガスの方が多くの熱を生み出します。

したがって、プロパンガスは少ない使用量で済みますが、ガスの単価自体が都市ガスより高いことが一般的です。

都市ガスは単価が安く感じることが多いですが、実際にプロパンガスと比較するときには、この熱量の違いを考慮することは、ガスの使用量やコスト計算において非常に重要です。

プロパンガスは都市ガスに比べて約2.18倍の熱量を持っているため、単純な価格比較では正しいコストの把握ができません。

熱量の違い

プロパンガスの熱量: 約24,000キロカロリー/m³
都市ガスの熱量: 約11,000キロカロリー/m³

このように、プロパンガスは都市ガスの約2倍以上の熱量を持っているため、同じ熱量を得るためには都市ガスの使用量が多くなります。

具体的には、プロパンガス1立方メートルの熱量を都市ガスで補うには、約2.18立方メートルの都市ガスが必要となります。

例)例えば、都市ガスの単価が160円/m³であっても、プロパンガスの1m³に相当する熱量を得るためには、都市ガスを2.18m³使用する必要があります。これにより、実際には都市ガスのコストは160円 × 2.18 = 348.8円となり、プロパンガスと比較する際にはこのような計算が必要です。

このため、単純にガスの単価だけを見るのではなく、熱量換算を行って公平にコストを比較することが重要です。

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料金内訳について

都市ガスとプロパンガスの料金構成は、どちらも基本料金従量料金から成り立っています。

基本料金

固定費用であり、ガスの使用量に関係なく毎月一定額です。これは維持管理にかかるコストをカバーするためのものです。

従量料金

ガスを使用した分だけ発生する料金です。1㎥あたりの料金に使用量を掛けて計算されます。


追加の制度や料金体系

都市ガスでは、「原料費調整制度」が導入されています。

これは、燃料費の変動に応じてガス料金を調整する仕組みで、原料価格が上がれば料金も上がり、下がれば料金も下がるというものです。

プロパンガスは、原料費調整制度に加えて、一部の会社では「3部料金制」を採用しています。これは、基本料金と従量料金に加えて、ガス設備(給湯器・ガス管)の設置・保守にかかる設備費用を別途請求する仕組みです。

価格決定の違い

都市ガスとプロパンガスは、それぞれ異なる料金の決め方が採用されています。

都市ガス

都市ガスの値段を決定する際に、採用されている総括原価方式は、公共料金(電気・ガス・水道など)の設定に使われるコストベースの料金決定方式です。

この方式では、企業がサービスを提供するために必要な全ての費用をまとめ、それに適正な利益を加えた金額を基に料金を決定します。

つまり、企業が発生させた「原価(コスト)」をカバーしつつ、安定した運営を続けるための収入を確保する仕組みです。

総括原価方式による料金の決め方は、次の流れで進みます。

まず、ガスや電力会社が、サービスを提供するために必要な費用や将来の投資計画をもとに、料金の提案を作ります。

その後、経済産業省資源エネルギー庁などの規制当局が、その料金が適切かどうかをチェックします。

最後に、政府が承認したら、新しい料金が正式に決まります。

つまり、企業が料金を提案し、国がしっかり確認してから料金が決まる仕組みです。

プロパンガス

一方、プロパンガスは、自由料金制と呼ばれ、市場の需給バランスやガス会社の判断により料金が変動します。

そのため、プロパンガスの料金はガス会社ごとに大きな差が生じることがあります。

プロパンガスは市場価格や各会社の経営判断に大きく依存しており、都市ガスのように総括原価方式で規制された料金体系ではありません。

選択の自由度

ガスの選択肢が広がる中、都市ガスとプロパンガスでは選べる自由度に違いがあります。

それぞれの特性をみていきましょう。

都市ガス

都市ガスについては、2017年4月のガス小売全面自由化により、消費者はガス会社を自由に選べるようになりました。

特に賃貸物件でも、建物の指定がなければ、工事を行うことなくインターネット上で簡単にガス会社の切り替えが可能です。

このため、都市ガスの契約には一定の自由度があります。

ただし、プロパンガスと比較すると、都市ガスを提供する業者の数は限られており、特に地方や特定の地域では選択肢が少ないことがあります。

また、地域によっては都市ガスの配管が地中に通っていない場合があり、その場合はそもそも都市ガスを利用できない地域も存在します。

プロパンガス

プロパンガス販売事業者(ガス会社)の数は非常に多く、全国に約18,000社以上存在します。

これは都市ガスの約200社と比べて圧倒的に多い数字です。

プロパンガスは長年自由化されており、消費者が自由に会社を選択できます。

だだし、物件の種類やご契約内容によって選択の自由度が異なる場合もあります。

(例として、賃貸アパートでは変更が難しいなど)

ガス会社の供給範囲は物件から20km~30km以内、または30分以内の距離に限られます。

プロパンガス料金と熱量の注意点

熱量が2倍でも、プロパンガスが必ずしも割安というわけではありません。

都市ガスのコストは、単純に計算すると、160円 × 2.18 = 348.8円となり、プロパンガスと同じくらいの価格になります。

しかし、基本料金が少し高く設定されている場合、その分合計金額が上がってしまい、最終的にプロパンガスの方が高くなる可能性もあります。

つまり、プロパンガスが安く感じられるかどうかは、基本料金や使用量、1㎥あたりの単価に影響されるということです。

料金は、実際の使用量に基づいた総額で比較することが重要

この記事では、プロパンガスと都市ガスの熱量の違いや、料金の決定方法、請求金額の内訳について説明しました。

都市ガスとプロパンガスを比較する際は、これらを理解し、実際の家庭での使用量に基づいて総額を計算することが大切です。

LPガス料金の相談は「プロパンガス料金適正化協会」

プロパンガス料金や切り替え先について相談は、「プロパンガス料金適正化協会」までお問い合わせください。当協会はLPガス料金の透明化を推進する消費者保護団体です。

プロパンガスの専門家による無料相談や透明性の高いガス業者の紹介を行っています。新規契約でガス業者を探している方にも、わかりやすくプロパンガスの疑問にお答えしています。

まとめ

「プロパンガスは都市ガスに比べて高いのでは?」と思われがちですが、実はそうとも限りません。

プロパンガスは確かに都市ガスと比べて比較的高い場合もありますが、約2倍の熱量を持ち、各会社で自由に値段設定ができる自由料金制です。

そのため、基本料金や従量料金を上手く見直すことができれば、都市ガスよりも安く使える可能性もあります。

ガスの料金を比較する時には、1㎥あたりの単価だけでなく、基本料金や使用量、そして熱量も含め考えた「総額」で判断することが大切です。

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