相談事例39 【10年間で50万円の過払い金】

相談事例タイトル

2015/8/26日、三重県にお住まいの主婦A子さんからの相談。

10年前新築の際オール電化を考えていたが、ガス屋さんからの執拗な営業でプロパンガスを使うことになった。当初、基本料金は取らない条件で従量料金@500円での供給お約束であったが、いつの間にか一方的に基本料金が追加になっていた。
ガス利用は、台所・給湯器・ガス暖房なのだが、月額3万円を超える高額請求に対して過払い料金の請求は可能かとの相談。

過払い請求は難しいと回答しました。

その根拠として、新築時の供給開始時に関わる書面の交付(液石法第14条義務化)の記憶もなく書面での約束ごとは一切なく口約束で供給開始した経緯による。
当然、業者側は第14条の書面交付は法令順守で行ったとの申し出も、その後の値上げ理由は社会情勢の変動によるものとの弁解に終始する。
更に今回のトラブルが原因か、統合との理由で仕入れ業者(問屋)への契約変更になっていた。
相談者によれば、契約後から徐々に請求料金が高くなっていたとの申し出も、業者側の言い分としては、その都度検針票に明示して価格改定を行っているとの説明もあった。


目次

考察39

プロパンガスの料金は、「言い値」が基本と考えるべきである。仮に、業者側の説明による社会情勢の変動に連動するのであれば、輸入価格の暴落している現在は大幅値下げが必要になる。
その値下げ幅も、一年前の輸入価格の推移(CP価格)は実に半額近く落ち込んでいるのであるが、LPガス業界は全国的に妥当な値下げはしていないのが実態である。
つまり、販売店側の都合による恣意的な判断で料金が決定されている。
又、消費者がその正当な理由を盾に過払い請求をしたとしても、自由料金であることから過去の料金は互いに納得のうえ購入したとの法的解釈になってしまい請求権は成立しない。

仮に、適正価格を基準に10年間の過払い金を計算してみると実に概ね50万円前後にもなってしまうが、プロパンガス業界のこのような不透明な商売方法は全国的に社会問題化すべきである。
隣国だったら未だしも、法治国家の日本国内に於いて公共性が極めて高い商品の販売方法としては如何なものかLPガス業界に問題提起したいものである。

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