【相談事例】建売住宅購入でプロパンガスが高いため都市ガスにするか悩んでます。

今回は、茨城県つくば市にお住まいのMさんからのご相談をご紹介します。

ご相談内容

【ご相談者情報】
Mさん
地域:茨城県つくば市
家:戸建て
プロパンガス使用頻度:多
購入時の条件:建売住宅で購入

【ご相談内容】
都市ガスにしませんか?と提案がきて今のプロパンガスが高いと感じており、相談がありました。

解説とアドバイス

プロパンガスと都市ガスを比較する際は、同熱量換算をすると結果が見えてきます。

都市ガスとプロパンガスの料金比較

都市ガスは1㎥あたりの熱量が約11,000kcalプロパンガスは約24,000kcalと、プロパンガスのほうが熱量が高いため、同じ「㎥」でも得られるエネルギーに差があります。
※2024年12月検針(一般契約料金A表)

項目都市ガスプロパンガス
単価 (税込/㎥)177.92円
(東京ガス例)
385円
(協会推奨の適正価格例)
熱量 (kcal/㎥)約11,000 kcal約24,000 kcal

熱量を考慮した単価比較

(同熱量換算)をすると、わずかに単価だけ(同じ熱量で比較)見ると、プロパンガスがわずかに安い

都市ガスプロパンガス
実際の単価178円/㎥
(約177.92円)
385円/㎥
1㎥あたりの熱量約11,000 kcal約24,000 kcal
同じ熱量で見た場合
(都市ガスは約2.2倍必要)
178円 × 2.2 = 391円/㎥385円/㎥

月々の基本料金比較

プロパンガスは都市ガスと比べると基本料金が高めに設定されていることが多いです。

毎月の使用量が少ない場合は、この基本料金の差が大きく影響してきます。

ガス種基本料金 (税込/ 月)
都市ガス約759円
プロパンガス約1,650円

【結論】

都市ガスは一見安く見えますが、LPガス築浅の建売住宅では「プロパンガス設備費」と「都市ガス工事代」の“二重負担”が発生するため、契約内容をしっかり確認する必要があります。

建売住宅は最初からプロパンガスの設備工事が済んでいて、その設備工事代はお客様負担ではなくガス会社負担になっていることがある。

建売住宅は最初からプロパンガスの設備工事が済んでいることが多く、その工事費用はガス会社が負担しています。

そのため、都市ガスに切り替えるときには、プロパンガス設備の残りの費用と撤去費用、さらに都市ガスの新規工事代を自分で支払う必要があります。

他社移行時に、違約金として設備代が発生する仕組み

ガス会社は最初に配管などの工事費を負担しているため、短期間で他社に切り替えられると費用を回収できず損をします。

だから15~20年の長期契約にして、毎月のガス料金で少しずつ工事代を回収する仕組みになっています。

その間のガス料金が高くなりがち。最初に設備代を自己負担すれば、毎月のガス代を安くできます。

設備代の合計残存金がいくらなのか?また、その合計から毎月いくら設備代分を支払っているか確認する。

築浅と言っても、1年の人もいれば、5年の方もいます。期間に応じて、残存金が値段が異なる為、現在の残存金がいくらなのか?を理解したうえで、さらに、都市ガスの工事費用も考えた上で、検討しないといけません。
※例として、都市ガスの工事費用が20万と仮定し、プロパンガスの設備代が15万で15年契約とします。

築年数と残存金の目安例(都市ガス工事費20万円の場合)

築15年(残存金0円)
合計で20万円
→ ガス設備代をすでに支払い終えている状態

築0年(残存金15万円)
合計で35万円
→ 毎月、設備代15万円分を少しずつ支払う

築5年(残存金10万円)
合計で30万円
→ 毎月、設備代10万円分を少しずつ支払う

築10年(残存金5万円)
合計で25万円
→ 毎月、設備代5万円分を少しずつ支払う

全国4人家族の平均使用量に基づく試算結果

プロパンガス(11.3㎥使用)都市ガス(同熱量 24.65㎥使用)
総熱量 (kcal)271,200271,200
従量料金 (円)385円×11.3㎥ = 約4,351円177.92円×24.65㎥ = 約4,386円
基本料金 (円/月)1,650円759円
合計 (円/月)6,001円5,145円

※4人家族の全国平均使用量11.3㎥で計算した場合

  • プロパン:6,001円
  • 都市ガス:5,145円

この例だと、都市ガスのほうが約850円ほど安いという結果になります。

しかし、適正価格であればお金をかけて都市ガスにする必要性はない。

適正価格でプロパンガスを利用中と仮定し、都市ガスへの切り替えに20万円かかった場合に費用を回収する年数を試算すると、あまり割に合わない結果になります。

つまり、適正価格であれば、高額な工事費をかけて都市ガスへ変更するメリットはほとんどないということです。

項目内容・金額
工事費用200,000円
月々の差額(節約額)約856円
回収に必要な月数約234か月
(= 200,000円 ÷ 856円)
回収に必要な年数約19.5年
(= 234か月 ÷ 12)

都市ガス・プロパンガスの違い

プロパンガスと都市ガスの違いを簡単に説明します。

まず供給方法が異なり、プロパンガスは液化石油ガス(LPG)を原料としており、ガスボンベを各家庭や施設に配送して使用します。一方、都市ガスは液化天然ガス(LNG)を主成分とし、地下に張り巡らされたガス管を通じて供給されます。

また、プロパンガスは空気より重く、低い場所に滞留する性質があり、都市ガスは、空気より軽く上方へ拡散します。燃焼時の発熱量にも違いがあり、プロパンガスの方が発熱量が高いため、少量で効率的に加熱が可能です。

都市ガスは供給地域が限定されるが、プロパンガスは配送可能な地域であれば利用可能で、災害時にも復旧が早いという特徴があります。

当協会スタッフから一言

2025年4月から設備料が請求書に明記されることが義務化されるため、これまで不透明だった設備代がより明確になると期待されています。
それでも新しい項目が見当たらずガス料金が高いと感じる場合は、一度契約内容等も含めてガス会社に相談してみましょう。

LPガス料金の相談は「プロパンガス料金適正化協会」

プロパンガスの適正価格が分からない・信頼できるプロパンガス会社が見つけられないという方は、プロパンガス料金適正化協会にご相談ください。

プロパンガス料金適正化協会では、プロパンガス料金相談を受け付けております。地域の適正価格を確認したい方/新築や中古住宅でのプロパンガス供給をご検討の中で適正価格で供給できる会社をお探しの方/料金が高くて困っている方/

こちらまでお問い合わせください。

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